目的と意義

このプロジェクト「仏教生命観に基づく人間科学の総合研究」は、縁起説を基に、生命の稀有性と相互依存関係性にめざめ、生きとし生けるものへの慈愛と責任と感謝を培う教育研究をめざす。第一の研究目的は、仏教生命観に加えて、仏教人間観、仏教共生観の世界的意義を解明することにある。仏教人間観は、衆生として人が命あるものの仲間であるという自覚を持ち、菩薩として自利利他の向上的人間をめざしつつ、凡夫として自己中心的な愚かさや罪業性を知るという総合的な知見であり、仏教共生観は、人間が自然に生かされていることを知り、多様性を尊重して、自他一元的に共生する世界観を意味し、そこより「人間存在の本質と真実の在り方」を見極める。第二の研究目的は、仏教生命観、仏教人間観、仏教共生観を水源としながら、「21世紀の自然科学・技術時代における仏教思想の展開と再解釈」「仏教と心理療法の相互理解-人間性の慚愧と転成」「親鸞思想と仏教社会福祉」「仏教の人間観と自然観の統合」という新四領域に研究ユニットを再編成し、それら四つの課題を明らかにすることにある。