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研究成果

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『東アジア思想における死生観と超越』 (方丈堂出版)

 

ユニット3研究叢書『東アジア思想における死生観と超越』(方丈堂出版)を2013年3月に出版する予定である。


『宗教における死生観と超越』 (方丈堂出版)

 

ユニット2研究叢書『宗教における死生観と超越』(方丈堂出版)を2013年3月に出版する予定である。


Winds of Virtue: The Japanese Buddhist Thinker Shinran in Conversation with Heidegger and Lévinas (New York University Press, 2013)

 

Charles Hallisey (ハーバード大学教授)とDennis Hirota (龍谷大学教授、ユニット1リーダー)によって著作された研究叢書"Winds of Virtue -The Japanese Buddhist Thinker Shinran in Conversation with Heidegger and Levinas" を2013年3月に出版する予定である。 


『ブータン王国の国民総幸福(GNH)政策―仏教思想はどのように活かされるか―』(方丈堂出版)

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ケサン王女殿下特別講演

ブータン王国の国民総幸福(GNH)政策

―仏教思想はどのように活かされるか―

 

2012年3月30日 初版発行

ISBN 9784892310959 C1015

発行 株式会社方丈堂出版

 

【目次】

 

謝辞
開会の辞(若原道昭(筑紫女学園大学学長・龍谷大学第17代学長)

 

特別講演 「国民総幸福(GNH)政策:ブータン王国の開発の理念」(ケサン・チョデン・ワンチュック王女殿下)

パネルディスカッション

V.ナムギャル(ブータン王国大使)

カルマ・ツェテーム(GNH委員会長官)

桂紹隆(龍谷大学アジア仏教文化研究センター長・文学部教授)

鍋島直樹(龍谷大学人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター長・文学部教授)

 

閉会の辞

赤松徹眞(現龍谷大学第18代学長・文学部教授)

 

ブータン王国について

 

参考文献

おわりに~編集後記


『生死を超える絆ー親鸞思想とビハーラ活動』(方丈堂出版/Octave)

 

生死を超える絆.jpg
 

仏教と医療の学際的協力により誕生した、

気鋭の研究論考18編!

 

 著者 鍋島 直樹 編

    玉木 興慈 編

    黒川 雅代子 編

出版年月日 2012/08/08

ISBN   9784892310935

目次

≪序≫生死を超える絆を求めて
Ⅰ 医療文化と仏教文化
   現代社会の医療文化と仏教文化

Ⅱ ビハーラ活動-医療と仏教の架け橋
   シンポジウム「ビハーラ活動の今とこれからを考える」成果概要
   医師と僧侶としてのかかわり
   最後まで安心して暮らし、安らかに看取られるためのまちづくり
    -「かあさんの家」での生と死
   学術講演:いのちを考える
  -救急、がん医療そして緩和ケアの現場を通じて
   学術講演:いのちに携わる看護師のお話
   学術講演:ホスピス・緩和ケアとは

Ⅲ 遺族の求めるグリーフサポート
   遺族のセルフヘルプグループ、サポートグループの活動
   臓器移植をめぐる死生観と生命倫理
   レスポンス 臓器移植をめぐる死生観と生命倫理
   学術講演:ニュージーランド・クライストチャーチ地震における派遣報告
-日本赤十字の「こころのケア」チームの一員として
   東日本大震災の東北を訪ねて 悲しみに寄り添う

Ⅳ 生死観と超越-ビハーラ活動を支えるもの
   Life or Death of the Buddhadharma;Paradigmatic Reflections
   【和訳】仏教の生死-パラダイム論的省察
   親鸞思想の基礎としての人間論
   親鸞思想における行の理解
-『教行信証』「信巻」真仏弟子釈の理解を通して
   ビハーラ活動のガイドライン-浄土教における死と慈愛

プロジェクトの概要

執筆者紹介(掲載順)

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「死生観と超越ー仏教と諸科学の学際的研究」2011年度報告書

挨  拶
             龍谷大学 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター長 鍋島 直樹
 

 人は思いもかけない大災害や死別に突然遭遇し、悲しみに暮れる時もないほど、その日を生きていくことに困窮することがある。しかし、人生の危機に直面して、はじめて本当に大切なものを求める。絶望の闇の中でこそ希望の光を探す。生死を超えるとは、いかなることであろうか。
 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センターの『死生観と超越─仏教と諸科学の学際的研究』は、死に直面する人々、絶望の淵にある人々がその苦悩をいかに乗り越えていったのかを学び、一人ひとりの尊厳を守り、未来へ希望の灯りをともすような方向を示すような研究となっていくことが求められる。
 2011年3月11日午後2時46分、観測史上初のマグニチュード9の東日本大震災が発生した。地球の自転がわずかに速くなり、一日が百万分の1.8秒短くなるほどの大地震だった。三陸海岸の津波の高さは10メートル以上、岩手県宮古市では陸をかけあがった津波の遡上高が40.1メートルに達した。警察庁によれば、2012年3月11日の時点において、死亡者15,854人、行方不明者3,155人である。東日本大震災から一周忌を経て、あらためて言葉にできないほどの無念さや悲しみがあふれてくる。お亡くなりになった一人ひとりにかけがえのない人生があったことが偲ばれる。この悲しみと悔しさを忘れず、悲しみから生まれる大切なことを私たちがそれぞれ受け継いでいくことができればと思う。
 大災害などの危機に際して重要なことは、災害を人々がいかに乗り越えてきたかという歴史の検証であり、困難のたびに人々を支えてきた日本の伝統文化を守ることである。そして、蓄積された地域社会の人々の交流を大事に育んでいくことである。また何よりも、現場に行って初めて見えてくる知見を尊重しあうことが必要である。そこに日本の学術の果たすべき責任がある。東日本大震災の際に、日本人が、礼節を保ち、暴動や略奪を起こさず、支えあって生き抜く姿に、世界中の人々が賛辞を送った。阪神淡路大震災の際にも、暴動がほとんどなく、悲しみをこらえて支えあう日本人の姿を、世界のメディアがニュースで報道した。その慈しみや絆はどこから生まれてくるのだろうか。文学作家の村上春樹氏は、2011年6月9日にスペインでカタルーニャ国際賞を授賞した際、記念スピーチのなかで、日本人の誰もがもっている無常観が、忍耐強さ、礼節さ、支えあいの心を生み出していると話した。日本人には、仏教の諸行無常の真理が示すように、遥かいにしえから受けつがれてきた無常の人生観がある。桜が咲いて散り、紅葉が赤く染まって散るのを見て、自らの人生をふりかえるように、世間のうつろいやすさ、命のはかなさを知っているから、つらい時に人々は支えあうことができるのであろう。
 本研究プロジェクトは、2年目を迎え、4つの研究班は、構想調書に記した課題と計画に沿ってプロジェクトを遂行した。特に、2年目に達成できたことは、第一に、2011年4月より、『仏教死生観デジタルアーカイブ研究閲覧装置』を新聞報道やパドマ研究展示『生死を超える物語』で一般公開するとともに、研究成果として『仏教死生観デジタルアーカイブ研究─生きる意味の省察』を出版することができたことである。第二には、2011年9月に龍谷大学で開催された日本印度学仏教学会をはじめ、日本や海外の学会において共同研究者が研究発表やパネルを行ったことである。第三には、ユニット1では、2010年度にハーバード大学世界宗教研究所で開催された国際シンポジウムのプロシーディングスを基に、さらに2011年度にワークショップを継続して開催し、2012年度に、アメリカの出版社からその成果を研究書として刊行することが決まったことである。本のタイトル、編者、出版社は、Book Title: Winds of Virtue: The Japanese Buddhist Thinker Shinran in Conversation with Heidegger and Levinas, Co-authors: Charles Hallisey (Harvard University; Unit 1 Co-researcher),Dennis Hirota (Ryukoku University; Unit 1 Leader),Thomas Sheehan(Stanford University; Unit 1 Co-researcher),New York University Press, 2012 である。第四には、ユニット2とユニット3において、若手研究者を含めたシンポジウムやワークショップがほぼ毎月開催されたことである。ユニット2のシンポジウム「死生観と超越の研究展望─宗教多元のなかで」(2011年6月16日)、ユニット3の国際シンポジウム「浄土教における死生観と超越」(2011年11月29日)では、日本の他大学の教授や、アメリカのRichard K. Payne教授(IBS, Dean, The Graduate Theological Union)を迎えて、伝統的な死生観と救済観の実際的意義を共有して考えることができた。第五には、ユニット4において、ビハーラ活動と浄土教の死生観に関する学術講演を毎月行い、その成果論文を集積して、研究叢書『生死を超える絆─親鸞思想とビハーラ活動』を出版する運びとなったことである。第六には、若手研究者であるPDならびにRAが、本研究プロジェクトにおいて研究発表を行い、パドマにおける研究展示を助けるとともに、大学の非常勤講師として、大学教育に携わることができた。第七には、東日本大震災に関わって、本センターの研究者ならびにセンター関連講義に集う大学院生がそれぞれ復興支援ボランティア活動に携わり、その活動報告を、本センター主催の公開講座やパドマでの研究展示『宮沢賢治の死生観─雨ニモマケズの心』において発表したことである。とりわけ、宮城県本吉郡南三陸町役場の佐藤仁町長、町民福祉課及川幸子係長、町職員のご協力、すがとよ酒店の菅原文子さんを初めとするご遺族の方々のご理解により、南三陸町や気仙沼市の真実を学ぶことができた。ご協力とご支援いただいた各方面の皆様に対し、深く御礼申し上げたい。
 南三陸町では、志津川地区に建てられた防災対策庁舎で、大地震の直後から、「津波が来ます。高台に避難してください」と町民に放送で呼びかけつづけた遠藤未希さん(24)や三浦毅さん(52)など町職員39名が、大地震から約40分後に襲った大津波で亡くなった。私自身は災害支援ボランティア活動に2011年4月8日から携わり、仲間やご家族を津波で亡くして悲しむ職員に出あった。2012年3月現在、ほぼ毎月被災地に赴いて、悲しみに寄り添う心のケアを継続している。当初のボランティア活動は宮城県名取市の元仙台空港ボウルや角田市の元角田女子高等学校の遺体安置所でのお勤め、避難所への物資支援、炊き出しなどであった。それらが縁となって、宮城県仙台市宮城野区や南三陸町、気仙沼市などで、現地の町職員と連携をとりながら、死亡者のご遺族への弔問と行方不明者のご家族へのお見舞いにうかがわせさせていただくようになった。特に、遠藤未希さん(24)のご両親をはじめ、お亡くなりになった南三陸町役場の職員のご遺族、行方不明者のご家族との心の交流をつづけている。ボランティアや心の交流を通して学んだことは、私たちが何かを与えることよりも、被災地の方々から大切な真心を受け取ることが多いということである。「津波で家族や家をなくしても、人の絆は流されない」、この言葉も被災地の人々から学んだことである。悲しみは決して消えることはない。私たちが東日本大震災で亡くなった方々に手を合わせて哀悼し、愛する家族や故郷を喪失した人々のことを決して忘れず、復興に取り組んでいく。それがこれからも願われることである。私自身が、現地に赴いて新しく学んだことは数多い。危機を乗り越える道は、絶望から離脱するところにあるのではない。絶望に向き合うところに、困難を超える道が見えてくる。あたかも悲しみからまことの絆が生まれるように。無常とは、命のはかなさとともに、支えあえば必ず復興することを教えている。無常の悲しみから人と人は支えあい、無常の変わりうる世界であるから、支えあえば必ず復興することができる。
 最後に、遠藤未希さんのご両親と交流を重ね、2012年3月3日に、南三陸町のご自宅でうかがった話を、皆様に伝えたいと思う。「娘の未希がとった行動を、天使の声などの美談にしてほしくない。未希は津波の恐ろしさを知っていたら逃げたにちがいない。未希が逃げていてほしかった。そんなに頑張らなくても生きていてほしかった。どうか津波の脅威を伝えてほしい。人間の驕りを捨て、自然への畏敬を忘れず、大地震や大津波の際には、誰もがすぐに避難することを教訓として伝えていってほしい」とご両親は語ってくださった。そして、未希のお父様、遠藤清喜さんはこう話してくださった。「悲しみは決して消えることはない。季節ごとに娘のことを思い出す。毎日、その日をなすべきことを果たしてなんとか生活しているだけである。それから、少しずつこう思うようになった。生き残っている者には、それぞれ必ずその役割がある。そう思うようになってきた」と。そのお父様の言葉に心動かされた。未希への愛情を胸に刻み、皆様から受けたご支援に感謝して精一杯生きていきたい。そういう気持であると察するところである。未希さんのご両親の言葉は、お二人がこれから進もうとする道を指し示しているとともに、聞いている私自身にもこれから生きる道として指し示してくださっているように強く感じた。それから未希さんのご両親は、お二人で「感謝」「未来に希望の灯りをかかげて」と書いた木製の置物を見せてくださった。それは心にぬくもりを与えてくれた。今後も私自身が、長い時間をかけながら、東日本大震災の悲しみと無念さからあふれてくる大切なものを、被災地の方々に聞き、未来の世代に伝えていきたいと思う。
 本書に、掲載されたすべての研究成果に対し、心から感謝の意を表したい。本書の研究成果を研究者と若手研究者が共有し、それぞれの教育研究に生かしていただければ幸いである。

 

2012年3月26日


「死生観と超越ー仏教と諸科学の学際的研究」2010年度報告書

挨  拶
             龍谷大学 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター長 鍋島 直樹
 

 慈光照護のもと、本センターの「死生観と超越─仏教と諸科学の学際的研究」プロジェクトは、平成22年度〜24年度の文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業として採択されました。昨年4月に研究部河村課長から採択通知の電話を受けた時、うれしさとともに果たすべき責任を感じました。
 文部科学省、ならびに、龍谷大学若原道昭学長をはじめとする関係者の皆様には、このような大型研究プロジェクトに携わるご縁を賜り、心から御礼申し上げます。身の引き締まる思いです。あわせて、この採択にいたるまで、構想調書を書き上げるためにご尽力いただいたすべての研究者、研究部人間総研の職員の皆様に深く感謝いたします。海外からは、オレゴン大学教授の海野マーク先生に学術的な面から助言をいただき、大きな力を得ました。
 
 世界には経済的に豊かになった国々と、その一方で、貧困にあえぎ、基本的な人間の生活を送ることさえ困難な国々があります。しかも、経済的な繁栄を遂げてきた日本において、孤立感や不安が蔓延しています。物質的な豊かさは誰にとっても求められることです。しかし、経済的発展に偏重しすぎたために知らぬ間に利己的になり、関係性を失って、精神的な幸福を感じにくくなりました。人間のために自然を必要以上に開発し破壊してきました。改めて今、地球と人間の持続可能な世界を構築することが求められています。
 そのような時代にあって、当センターでは、「死生観と超越」の課題に取り組みます。「死生観と超越」のテーマは、世界の人々の普遍的なテーマです。古きに学び、死を通して真の愛情や生きとし生けるものとの関係性を育むことができれば、現代そして未来の世代に精神的な幸福を復興させる鍵となると思います。生老病死のありさまは、いのちの無常さを知らせ、本当の生き方とは何であるのかを問いかけてきます。釈尊の求道は、老病死の現実にであい、清らかな修行者の姿に胸を打たれたところに始まりました。愛するものとの死別は受け入れがたく、後悔や悲しみを伴います。しかも、人は死別の悲しみを経験することを通して、亡き人から受けた愛情に気づき、無常を越えた真実を求めます。深い悲しみからこそ、他者や自然への慈しみも生まれてきます。死は、人に大切な何かを考えさせる機縁であるといえるでしょう。
 初年度にあたり、各研究班では、研究発表や対話がはじまりました。主な成果には、仏教宇宙観と死生観に関する展示、被爆者の死生観と願いに関する展示、各ユニットの研究会、ワークショップ、公開講座があります。ユニット1(代表 廣田デニス)では、2011年2月、ハーバード大学において、生活に根づいた仏教と死生観に関する国際学術講演とコロキアムを開催いたしました。ユニット2(代表高田信良)では、諸宗教の死生観に学び、宗教と平和の教育研究、宗教者間対話による交流を幅広く進めています。ユニット3(代表 林智康)では、儒教・道教・仏教の死生観を学びあう学際的な研究を積み重ねています。ユニット4(代表 鍋島直樹)では、医療、看護、カウンセリングそして仏教に関する研究者が発表し、臓器移植に関わる心のケア、グリーフケア、ビハーラの独自性、死生観と超越の物語について相互理解を深めています。那須英勝先生のご尽力により、英文での研究成果物出版やロナルド・ナカソネ教授の京都での学術講演が実現できました。
 そして、『仏教死生観デジタルアーカイブ研究閲覧システム』を、構想調書の初年度計画に基づき、ついに製作完成することができました。龍谷大学人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センターは、仏教死生観に関連する仏像彫刻・書物・絵巻等の貴重な研究史料を高密度撮影でデジタル化し、32インチの大型マルチタッチモニターによる、指先の操作だけで史料の細部まで美しい画像が閲覧できるシステムを、凸版印刷株式会社の協力により独自に開発しました。この研究閲覧システムにより、普段、書物の開いた頁や断片しか見ることができない巻物を、現物を傷めることなく、自由に見て、読むことができるようになります。また、史料のデジタル化により、研究での新たな発見も期待されます。この製作は昨年夏から始まりました。歴史的研究や解説執筆と英訳は、井上善幸副センター長、若手研究者である博士研究員の岡崎秀麿、研究助手の釋氏真澄、本多真、北岑大至、胡暁麗の研究協力によるものです。夏休みの間も、秋冬の休日も、撮影立会いや展示物研究に没頭して努力してくれたことを思い起こします。若手研究者らの真摯な取り組みも心強く感じています。
 特筆すべきは、尊いご縁を賜り、ブータン王国のケサン・チョデン・ワンチュク王女殿下による学術記念講演を2011年2月に開催できたことです。ケサン王女殿下の父にあたる第4代ジグメ・シンゲ・ワンチュク陛下は、「国民総生産(GDP)よりも国民総幸福(GNH)がより重要である」と宣言されました。人間の幸福は、相互に関係しあう縁起の真理に学び、また、中道の精神に基づいて、経済的成長と精神的幸福とのバランスを保つことにあるとされています。GNHの4つの柱とは、①持続可能にして公平な社会経済的成長、②環境の保全、③文化の保護と推進、④よきガバナンス(統治)であり、GNHの9つの領域、すなわち、生活水準、健康、教育、生態学的多様性と活力、文化の活力、時間活用とバランス、よき統治、地域社会の活力、精神的幸福が、ホーリスティックな調和をとっていくところに幸福があるとされています。ブータン王国の国民総幸福の理想と政策は、この「死生観と超越」研究にとって大きな示唆を与えてくれます。本書にはその成果概要を掲載しています。寒中、奔走して準備していただいた研究部、京都府関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
 また、うれしかったことは、この研究プロジェクトの展示や公開講座に参加した学生たちに気づきや心の成長が見られたことです。ほんの一例をあげると、「ヒロシマの原爆に学ぶ」展の開幕セレモニーの時のことでした。広島平和記念資料館前田耕一郎館長が、初めて来学なさった折に、文学部真宗学科1年生の学生2名が、予め120名もの学生たちに呼びかけて色紙に寄書きした平和へのメッセージを、前田館長に手渡しました。そしてその学生は小さな声でこう話しました。「原爆の悲しみはまだ終わっていないことを知った。ヒロシマの被爆者の方々は困難の中で最後まで支えあい生きたかった。私たちはそれを忘れないで伝えていきたい」と。前田館長も、「当資料館だけでは伝えていくことに限界がある。こうして若い学生たちに被爆者の死生観と願いが受け継がれていくことがうれしい」と応えてくれました。被爆体験講話や原爆詩朗読会の時も新たな感動がありました。学生たちが広島の人たちの心を動かしたのです。詳細はこの報告書をご覧下さい。
 最後に、若手研究者である博士研究員の岡崎が、平成23年度より教学伝道研究センター専任研究助手として就任することができたのは喜ばしいことでした。当センターの展示、ホームページ開設、各種研究会、公開講座設営等すべてに一心によく尽くしてくれた彼がいなくなるのは正直寂しいことです。どうか当センターの中で学び取ったことをこれからも生かし、当センターと新しく所属する学外のセンターとの架け橋になっていただけたらと思います。
 本年度の研究成果の一端を、この年次報告書にまとめ、ここにお届けします。
 一つひとつの成果が、多くの研究者の間で共有され、皆様それぞれに何かを感じ取っていただき、これからも真の研究が生みだされていきますことを、心から念じています。皆様本当にありがとうございます。
                                                 2011年3月1日


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2013.2.8 スペースみすゞコスモス

記事「金子みすゞ いのちへのまなざし展」が掲載されました。 


2013.2.9 神戸新聞

 

「心寄せて 東日本大震災」コーナー  

記事「亡き人と共に生きる -僧侶、龍谷大教授 鍋島直樹さん」が掲載されました。


2013.2.7 読売新聞 夕刊

記事「利他精神示す〈行ッテ〉」が掲載されました。

 

夕刊の「宮沢賢治没後80年 代表作を読み解く」企画で記事「利他精神示す〈行ッテ〉」掲載され、「行って、必要とされることが、生きがいにもなる」や「被災地支援でも、身近などこかでの人助けでもいい。そういう行為をするとき、人は賢治の願いを実現させているのでしょう」など、インタビューされた鍋島センター長の言葉が引用された。


2013.1.1 文化時報

記事「金子みすゞ いのちへのまなざし」が掲載されました。


2012.11.20 朝日新聞 夕刊

記事「金子みすゞがみつめた いのち」が掲載されました。

副題は「京都・龍谷大で手帳や形見の着物展示」となり、主な展示品や展示期間、展示の関連講義を紹介された。


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